現場発のISO9001コンサル実況【第9回 識別、トレーサビリティー】

当ブログでは、私、渡邉和彦が担当させていただいているお客様の「実際の仕組み構築」に合わせ、臨場感のある“コンサルティング実況”“仕組み構築情報”を公開しています。

このお客様も、現在8.2項まで進捗しました。概ね「良い提案」と「良い議論」ができていると感じています。
今回は、「識別とトレーサビリティー」の実況です。

「識別」での提案と協議に際して、最重要点としてお客様へ理解して頂いたことは、”識別することが目的ではありません”ということです。
「識別」というと、やれ置場を決めようとか、表示をしようとかを考え始めることがあります。
それは、必要でしたら「美化運動」としてやってください。「識別」とは全く違います。

“混じってしまう可能性のある状況を、絶対に混じらないようにすること”です。
従って、大事なことは”混じってしまう可能性”がどこにあるかを見つける目です。

今回のお客様の例では、安易な現場の製品の区分けなどではなく、長期保存製品の識別を管理して頂く事を最優先として提案しました。
例えば、「その製 品は、今日現在で何日経過したのか。この先、受注引当の予定がどの程度あるのか。」
こういう情報の現場での見える化を行うことです。
これにより、現場の方が、一目瞭然で認識でき、「防錆処理の実施」「ラッピング処理」などを時が来たら自然と行えるようになりました。

トレーサビリティーは、2つの視点で提案と議論をしました。
一つは、単純に「お客様から指示された情報」はトレース(追跡)できるような記録を残しましょう」という点。
もう一つは、自社の要望として”こんな事がわかったらいいな”という情報です。

例えば、不良解析を行う時に、
  ”いつ加工したんだっけ?”
  ”どの機械で加工したんだっけ?”
などなど。こういう過去の情報がわかると原因究明が絞れてくるということが多々あります。
規格要求事項が求めている「トレーサビリティーが要求事項となっている場合」とは、顧客要求だけではありません。
改善につながる点では、自社要求の方が重要かもしれません。
今回のお客様も、「加工ロットの始めと終わりのトレースが取れる」ようにしました。
理由は、ロットの始めと終わりで加工特性などに違いが出て、その違いを加工精度改善に生かす価値があると判断したためです。

次回は、8.2.1項 顧客満足を予定しています。