はりま建設株式会社様

ホームページ:http://www.harima-kensetsu.jp/

はりま建設株式会社様は、1965年2月に創業し、建設土木業を営んでおられます。資本金は5000万円で、秋田県仙北郡美郷町にある本社以外に、秋田支店、仙台支店、大仙支店など4事業所で土木工事業、建築工事業、とび・土木工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業、水道施設工事業、電気工事業など(上記以外に14種)において、建設業の許可を得ている企業です。

1999年、秋田県内の建設土木業の中で最初にISO9001認証登録を取得された企業としても有名です。取得から13年後の昨年、5月から1年かけて既存のQMSを見直し、再構築されました。なぜ再構築する決断をされたのか、その事情やいきさつなどを、常務取締役の小川隆造様、総務部環境安全課長の室谷健吾様からお話をお聞きしました。

●新規にQMSを構築するのではなく、QMSだけの見直しや再構築のコンサル依頼は珍しいのです。このような依頼が今後、東北環境技術へ増加するのではないかと考えますので、参考までに依頼の経緯などお教え願えますか?
○小川常務
 ISO管理責任者として、数年の運用面の全社実績などをチェックしてきました。認証登録から13年も経過すると、現在の実務と当初のQMSとの乖離に気づきました。担当者は、ただ決められたことを実行するだけで、実務と乖離していることにも疑問を抱いていないのではないかと危惧したのです。
 当初は、全事業所が運用の対象となっていなかったため、意識や手順などの面で統一が図られなかったことも、再構築の決断の背景にありました。
○室谷課長
 小川常務より、トップや管理職が変わらなければ再構築などできないと言うことで、管理責任者と事務局を中心に作業を進めて各部門へフィードバックしました。部門管理責任者は実務にも詳しいので、乖離している業務マニュアル、業務フローの見直しにも積極的に参加してくれました。

右から、小川常務様と
室谷環境安全課長様です。

●当初のQMSと現状の実務に乖離を生じていることに気付かれたことが、再構築の経緯に繋がったことがわかりました。やはり現場からも、乖離の事実を指摘する声もあったのでしょうか?
○小川常務
 その通りです。一部の社員からも、乖離を指摘する声が上がったのは事実です。ところで管理項目をまとめた文書や言葉遣いも、13年前のものなので、私が読んでも難解そのものでした(笑)。平易な言葉遣いへ切り替えることとマネジメントシステム自体も簡素化されないと現場からの理解は得られないという危機感がありました。当社の実情に沿った再構築をせねばという意気込みが、事務局にもあったと感じました。
○室谷課長
 各部門担当者は業務が多忙ですから、会議を開催して一同から意見を聞くなどという時間がとれない現実もありました。ですから、業務に精通している管理職からのヒアリングや事務局で作成した改正案などを検討してもらいました。1年間かけて、規程集やフロー表なども見直して、業務手順書も簡素な小冊子にまとめてみました。

●ある企業では、ISO9001認証取得をされても、次回更新のためだけの運用に変質していることもあるやに聞いております。確かに、土木主流から建設主流へ業種が変わることもあるのです。ですから、再構築依頼は、今後ますますQMS取得企業から増加するのかなという印象を強くしました。
 ところで、実情に沿った運用の見直しをすることで、新人教育にも役立つのではないでしょうか?
○小川常務
 それはあると思います。数年先には、日本の建設業関係者も世代交代の時期を迎えます。その時に、新人に業務手順書を読んでもらうとともに、業務フロー表の中のどんな役割を自分がしているのか、教育できるわけです。会社の中で自分の仕事がどのように役立っているのか認識してもらうことは、仕事へのモチベーションを上げることにもつながるはずです。

建築業の許可票です。

○小川常務
 本社は、公共工事が主体です。そして、秋田支店と仙台支店は民間工事が主体なのです。全社で包括できるようなマネジメントシステムを作らねば、人事交流もできなくなってしまうということも考えて、東北環境技術の内藤コンサルにコンサルを依頼したのです。

●内藤コンサルの印象は、いかがだったでしょうか?
○室谷課長
 丁寧に教えていただきました。読みやすい小冊子にする際も、適切なアドバイスをしていただきました。相談すると懇切丁寧に回答してくれた思い出があります。上から目線ではなく、我々と同じ目線から解決策を考えようとしてくれましたね。
○小川常務
 確かに話しやすい親しみを感じましたね。私のコンサルに対する印象は、頑固だと思いました。良い意味ですよ(笑)。冬の間もコンサルのため本社に来ていただきました。雪が降り続いているので危険だから時間をずらして出発したほうが良いですよと話したのですが、福島に帰る用事がありますのでと言って車で帰っていかれました。こちらの積雪は、生ハンパじゃありません。地元の人間でも遠出しないような吹雪の中、運転していかれました。本当に無事到着できたのかハラハラしていました(笑)。

●再構築後、社員の方に何か変化を感じられましたでしょうか?
○小川常務
 マニュアルが変わったのでやることが増加した、減少したなどという現場の声はありませんが、ISOに取り組む社員の姿勢が変わったことは、大きな変化と感じています。自分たちの業務に直結する問題解決方法などが記載されていますので、本気で覚えようとしているようです。内部監査の取り組みについても是正処置の指摘を受けた際、監査員と指摘を受けた担当が、必死に討議してる場面も見ています。結果報告も実情に沿ったもので、だれでも理解しやすいものになりました。全員が情報の共有化をすることの難しさは、担当部署が異なることです。そのため、なるべく専門用語を使用せず、全員が理解できる文章化を図っています。
○室谷課長
 ここは改善したほうが良いが次回にまわそうなどと考えずに、改善すべき点を自分の問題と捉えて早めに解決しようという積極的な取り組み姿勢へ、全員変わってほしいと願っています。当社実業務に沿ったマネジメントシステムを構築できたことで、取り組む態度が少しずつ変化していると感じます。

●今日はお忙しい中、インタビューを受けていただきありがとうございました。

ISO9001の認証登録証です。

【編集後記】
 10年以上QMSを運用されてきた企業が、1年かけてマネジメントシステムを再構築された理由も、インタビューを通じてわかりました。現業務と構築当時の業務との乖離に気づかれたことが、大きなポイントだなと思いました。乖離に気づいたトップの目配り、現場の声がトップへ伝わる風通しの良い企業、それがはりま建設株式会社様の企業風土なのでしょう。本社を訪問しましたが、皆様笑顔で応対していただき、忌憚のない意見や改善提案が現場から上がる、良い環境にあるのではないかと感じた次第です。内藤コンサルからも、見直し前に比較すると、マネジメントシステムはかなり簡素化されて実情に沿うものになったと聞いています。
ところで、小川常務様、室谷様も穏やかな方で、話が弾みました。福島県建設土木業の実態もよくご存知でした。トラックの手配や資材獲得の面で、東北の被災地が優先されているのにも当然のことと納得され、被災地復興が遅れていることにも同情されていました。
 さて再構築されたマネジメントシステムが、今後いかに運用されて、はりま建設株式会社様の血となり骨となっているか、数年後に再インタビューをして皆様にご報告したいと考えています。

インタビュアー:有限会社インターナショナル・コミュニケーションズ代表 菅野孝雄
2013年8月