株式会社エム・ティ・アイ様

ホームページ:http://www.mti-mf.co.jp/

 各種金属製品のめっき及び腐食防止及びこれに付帯する一切の業務を一手に引き受けている、株式会社エム・ティ・アイ様の本社郡山工場を訪問いたしました。郡山市富久山町福原字上台11-1に所在しており、郡山駅から車で10分少々の距離に位置します。
 昭和45年11月に設立され、従業員数60名、資本金は1000万円です。
代表取締役 元井泰二郎様の経営理念は、相互協力(Mutual aid)・信頼(Trust)・案出(Invention)です。この英語の頭文字M・T・Iを、会社名にしたと思われます。
 さて今回は、ISO管理責任者の齊藤伸寿工場長と、ISO事務局で技術開発部の志賀直子様よりお話を伺うことができました。

●2011年1月から約1年間のコンサル後、12月20日に、ISO14001認証取得企業になられたわけですが、東北環境技術へコンサルを発注された経緯をお教え願えますか?
○齊藤工場長  東北環境技術の常磐代表取締役を、当社代表取締役の元井が以前から存じ上げていたそうです。また、福島県内企業へのISOコンサルティング実績を考慮して発注したと聞いております。

●既にISO9001の認証登録をされていらっしゃったわけですが、ISO14001環境マネジメントシステム取得に関わる事務局のご苦労などございましたか?
○志賀様
 内藤コンサルの指導で、環境の取り組み体制も品質に統合したシステムになりました。環境法の対応と環境汚染の予防に取り組むために、化学物質の適正管理方法などをまとめました。また、統合ということで、品質マニュアルも全面改訂となりました。そこに少々時間を費やしたかなという思い出があります。

●掲示板を利用されて、継続的改善の進捗状況などがわかるようになっていますね。
○志賀様
 環境方針の周知を行うとともに、環境保全の意識高揚のために定期的に掲示しています。部門ごとの達成状況などもわかるようにしています。毎年、環境スローガンを募集しており、選ばれたスローガンを掲示しています。また、改善提案の表彰も掲示します。

掲示板にISO認証登録証明書が
掲示されていました。

●全くの門外漢ですので、失礼な質問をさせていただきます。めっき工場というと、廃液が土壌を侵食し地中の水質汚染の原因になったなどというニュースを過去に聞いたことがあります。この点について、貴社の取り組みなどお教えください。
○志賀様
 かなり以前に、規制対象の化学物質を利用しためっきをしておりました。現在は使用していないのですが、地下水の検査を月1回行っています。近くに田んぼなどもありますので、数十年に渡って地下水検査を行っています。検査結果も基準値に達しないほどの低い数字で問題はありません。現在は、洗浄の際、規制対象外の環境にやさしい溶剤を使用しています。

玄関を入ると、直ぐにこの掲示板が目に入ります。
この環境整備優良事業所の認定は、
なかなかに難関であると聞いています。

●貴社のホームページを拝見しますと、環境方針が明記されて誰でもダウンロードすることができます。環境方針をホームページに掲載している企業は少ないのです。それだけでも、環境に取り組む積極的な姿勢がわかります。この点については、どのような感想をお持ちでしょうか?
○齊藤工場長
 品質方針と共に、環境方針もHPに掲載することで、当社の品質や環境に取り組む本気度が理解されると思います。
 ところで、省エネルギーの継続取り組みについてもLED化を推進しており、消費電力低減に寄与しています。当社事務所内はすべてLED照明です。消費電力の少ない工作機械への転換も推進しています。また、環境によりやさしい三価クロムへ六価クロムから切り替えることも、顧客と相談して推進しています。これも電気めっき業の事業活動を通じて地球環境の保全に努めていることの表れです。先ほど志賀から水質検査に言及がありましたが、日々の監視と公的機関による検査も実施しています。

事務所内の照明は、すべて
LEDへ切り替えたそうです。

●内藤コンサルの印象など、お聞かせください。
○志賀様
 型にとらわれない先生という印象でしたね(笑)。当社の現状をしっかり分析し、できることとできないことを私どもに認識させてからコンサルがスタートしたと思います。こうあるべきだという理想論の押し付けではなかったので、我々も喜んでコンサルティングに出席しました。その結果、当社独自の環境マネジメントシステムができたと考えています。内部監査員教育にも協力していただきました。
○齊藤工場長
 非常に丁寧にご指導いただきました。法律面(法改正)に関して、現在もアドバイスを年2回ほどいただいております。

●ところで、60名の従業員のうち、女性の占める割合が多いと聞いています。そのメリットはどこにあるのでしょうか?
○齊藤工場長
 女性は妥協を許しません。その長所を理解して各種測定器を用いた精度の高い製品検査を行ってもらっています。創業40年の信頼や実績も、女性の協力なくしては達成できなかったと考えています。

●めっき事業についてお聞きします。福島県内めっき事業の景況などはいかがでしょうか?
○齊藤工場長
 宮城、岩手などは自動車工場誘致の影響で忙しいと思います。福島県内は、デジカメなどの電機部品が多いため、他県に比較するとまだまだ景気回復の影響を受けていないと思います。当社も北関東付近の自動車部品メーカー様とコンタクトを取り、新規顧客獲得に努力しています。私どもはもの創りをこの日本からなくさないよう努力していますので、国内メーカー様も地産地消と言いますか、当社のような地場企業をもっと活用してほしいと願っています。

●さてめっきは脱脂工程が一番重要であると聞いています。製品の表面から油を一掃することから開始しますので脱脂液の処理が問題になります。この液の削減についてどのような対策を講じられているのでしょうか?
○齊藤工場長
 環境方針の2.環境汚染の予防と継続的改善で取り上げた(4)廃棄物の削減のテーマでもあるわけです。この脱脂液の再活用に現在取り組んでいるところです。

●めっきは、国内の金属製造業にとって必要欠くべからざる工程ですので福島県内で末永く事業を継続していただきたいと願っています。本日はインタビューを受けていただきありがとうございました。

【編集後記】
 ISO事務局の志賀様を中心に実務作業を推進していただいた結果、スムーズに環境の取り組む体制が確立できたことと、管理責任者、ISO事務局、ISO委員の方 たちが品質マネジメントシステムの経験者だったことも、活動が進んだ要因であったと内藤コンサルから事前にお聞きしておりました。環境にやさしいめっきの提案や働きかけで、切り替えを実施した顧客の実例なども志賀様からお聞きしました。確かにHPに品質方針、環境方針を公開するだけの企業だなという印象を持ちました。地域の環境保全や地球規模での環境保全に取り組む姿勢を顧客へ訴えることで、多くの賛同を得たと齊藤工場長からもお聞きしました。「あったか めっき」という標語は、顧客の要望に応えると同時に、環境にも配慮するやさしい心を持ちたいということだなと納得した次第です。ところで、会津工場は、平成元年5月に無公害工場として創設されたそうです。大切な排水処理の重視や「業界のイメージの悪さを払拭したい」をコンセプトにした、快適な環境づくりを 配慮したそうです。環境にやさしい企業でありたいという、株式会社エム・ティ・アイの本気度を感じました。

インタビュアー:有限会社インターナショナル・コミュニケーションズ代表 菅野孝雄
2013年7月