株式会社遠藤製作所様

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 1949 年、鋳物の街として知られた山形市銅町にて創業。モーターカバーの機械加工の会社としてスタートしました。12年後法人化し遠藤製作所が発足。1987年 頃よりマニシングセンターへの取組みが本格化し、現在の基盤確立。2006年、事業拡大に伴い、工場を山形市立谷川へ移転。さらに5年後第二工場へと拡 大。2012年低コスト実現と市場拡大を目指してベトナム工場を設立されました。

 本社工場の所在地は、山形市立谷川二丁目485番10で す。資本金6000万円、従業員数50名で平均年齢が35歳という、若い力と熟練の技術が一致団結した企業様です。さらに、常に「もっといいものを、もっ と新しい提案を」という意気込みを胸に、お客様のニーズ・課題解決を優先することでも評判の企業様です。

 さて今回は、QMS,EMSの認証を2003年に取得したにも関わらず、現状の運用の継続ではISOのためのISO活動になっており改善成果が得られないと 判断し、2011年に中断を決意されました。そして再び、品質・環境・安全衛生を統合した、明確な方針と統合マニュアルを作成し、2012年9月~2013年2月の期間に東北環境技術のコンサルを受け、2013年3月に、ISO9001,14001の認証取得をされたのです。

 この中断のいきさつや再び認証取得を決断した理由などを、代表取締役遠藤聡様、品質保証課長兼営業課長の石田卓也様から伺いました。

右から、遠藤代表取締役様、
左が、石田課長様です。

●せっかく、2003年にQMS,EMSの認証取得をされたのに、2011年に中断されたのはなぜなのでしょうか?
○遠藤社長
 取得当時から時間が経過したこともあり、現状の仕事とマネジメントシステムにギャップがあることを実感していたのです。マネジメントシステムに管理項目や業務を追加しているだけでは、現状にマッチしないという思いが募ったのです。現状に即したマニュアルの作成などを考えて原点に戻り、最初から当社の実情に沿ったマネジメントシステムを構築すべきではないかという結論に至ったのです。

●QMSとEMSの統合は珍しくないのですが、貴社は、OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)まで統合したシステムに取り組んでおられます。これには理由があるのでしょうか?
○遠藤社長
 当社の目指す方向性と合致したからですね。従業員数も50名まで増えましたので、働く人々の健康管理にも留意すべきであると考えた次第です。このOHSASについては、将来取得を目指すかどうか検討しますが、その精神は取り入れるべきであると考え運用マニュアルも準備しました。まだ審査は受けておりませんが、いつでも認証取得できる準備をしています。

●つかぬ事をお聞きしますが、2011年、資本金を増資されています。この背景をお教えくださいますか?
○遠藤社長
 私どもの規模の割には顧客様が増加してきたのです。受注の拡大に伴い、第二工場を設立する必要にも迫られました。資本金に比べて、大きな金額を動かしていたこともあり、増資をする決断をいたしました。

●顧客様には大手企業様が多いですね。そちらから、ISO認証取得要請などはなかったのでしょうか?
○遠藤社長
 ISOを長い間取得していましたが、なくて困ったという問題に直面したことはありません。ただ、新規顧客との取引の場合、初期審査基準をパスできるなどのメリットはありました。今回の再取得は、当社内部事情からですね。

ちょうど午後一番に訪問したのですが、
工場内は整理整頓がされていました。
本当に塵一つ落ちていないのです。

●ところで、貴社ホームページは見やすく、良く出来ているなと思いました。
 また、会社概要パンフレットを読ませていただきましたが、社長あいさつが平易な言葉で書かれています。社長挨拶なのか、会社説明文なのかわからなかったので最後まで読んでしまいました。このパンフレットには読者を最後まで読ませる工夫ができているなと感心した次第です。普通、社長挨拶文を、短気な読者と私のような年寄りは、読まずに飛ばしてしまいますもの(笑)。
○遠藤社長
 そう言っていただけると嬉しいですね。HPも更新時期に来ていると考えています。読み易く、アクセス客が最後まで読むようなコンテンツを提供し続けたいと思います。

●昨年、ベトナムに工場を設立されたのは、受注が好調だからでしょうか?
○遠藤社長
 2006年に立谷川に移転した当時から比較すると、仕事量が増大しました。右肩上がりの状況でした。リーマンショックで一時的に売り上げが落ち込みましたが、翌年からは回復できました。昨年は、顧客様の在庫調整時期に当たったので、生産にゆとりができたのです。そのゆとりのおかげで、低コスト実現と市場拡販を目的に、ベトナム工場設立が可能になりました。
○石田課長
 ベトナム工場設立は、あくまで低コスト実現と市場拡販目的です。本社工場は量産体制、第二工場は高付加価値製品に特化しています。

石田課長に、第二工場まで
案内していただきました。

●若い従業員が多い企業様ですので、活気が感じられます。玄関でお会いした工場の方から、元気な挨拶をされたのが印象に残っています。
○石田課長
 現在平均年齢は、34歳を切っているかもしれません。当社には新式機械設備を導入しています。若い社員は操作に慣れるのも早いですね。
○遠藤社長
 しかし、決して若いばかりが良いとは考えておりません。経験が少ないこともあり、熟練技術者の多い顧客様から技術的な指導をいただくこともあります。新しい技術ばかりではなく、先輩たちの経験や知識を積極的に取り入れるのも、若さという特権だと思います。

●遠藤社長も若手経営者ですが、会社運営上で年齢のメリットやデメリットなどございますでしょうか?
○遠藤社長
 顧客様にとって、仕入れ先の経営者が若いことは経営者の健康を心配する必要がないので、安定供給されるだろうと安心してお付き合いくださるようです。また、ストレートに質疑応答ができる世代ですので、若さというメリットが多いと思います。会社の標語に、THE CREATIVE CREW を掲げています。
 従業員を同じ船に乗った乗組員、仲間であると位置づけ、荒波でも知恵を出して協力して乗り切っていきましょうという意味です。私も情熱を持った若さを失わないように心掛けています。

●なぜ、OHSASにこだわるのか、その標語を聞きまして納得しました。同じ船の乗組員の安全と健康に留意しなければ船は順調に進みませんもの。
 今日は、お忙しい中お時間をいただきありがとうございました。

【編集後記】
 東北環境技術の常磐コンサルより、遠藤社長は業務を推進するうえでISO活動を羅針盤と位置づけをして、現場で活用できるシンプルで改善効果が得られるマネジメントを期待していると最初に話されたとお聞きしていました。実務に即した改善効果が期待できる組織作りと、品質・環境・安全衛生を統合した統合マニュアルを作成し、半年後にISO認証登録企業になられたわけです。常磐コンサルも、遠藤製作所様のQMS・EMS運用実績9年間を踏まえ、これまでの失敗の原因をなくすことを主眼に、システム構築と体質改善に力を傾注したそうです。さて、インタビューをして、遠藤社長の従業員への愛情が、言葉のはしはしから感じられました。お客様への感謝の気持ちを忘れないが、創造的な仕事はかけがえのない仲間(CREW)がいなければ達成できないそうです。かけがえのない従業員と共に、日本のものづくり、社会に貢献したいという気持ちが強い社長さんでした。「ひとつ屋根の下、働く仲間として皆の幸せを心から願います。」 と、明確に話されていました。

インタビュアー:有限会社インターナショナル・コミュニケーションズ 代表 菅野孝雄
2013年6月