有限会社飯田製作所様

ホームページ:http://iidaf.co.jp/

福島県本宮市に位置する、有限会社飯田製作所様を訪問しました。
昭和39年に資本金100万円で設立された企業は、今や資本金5000万円に増資されました。
平成元年に12名で操業を開始した福島工場は、平成20年に第2工場も竣工し、現在両工場合わせて139名の従業員を数えるまで成長されています。輸送機器部品製造(フッ素樹脂、エンジニアリングプラスチック)に特化されている企業様です。

訪問した第二工場です。
本宮市糠沢字水上21-2
TEL:0243-64-2320
FAX:0243-64-2571

道路近くに大きな標識がありますので
場所がすぐわかります。

リーマンショックの際になぜISO9001認証を取得する決断に至ったか、代表取締役の野渡透一様、ISO管理責任者・工場長の辺見稔様、ISO事務局で品質管理課課長の平寿様から、お話を伺いました。

●単刀直入にお聞きします。なぜ、ISO認証取得をする決断をされたのでしょうか?
○野渡社長
 当社の得意先様が海外へ輸出する際、現地ユーザーから製品の内部部品がISO9001認証取得企業の製品かどうか問合せがあったそうです。そのため、得意先から当社へ認証取得依頼がありましたので、早急に取得決断をしたわけです。取得期限がありましたので、コンサル企業の選定をしました。

●そこで東北環境技術を選ばれたのですね。選定の経緯をお聞きしたいのですが?
○野渡社長
 候補3社を選び、面談をしました。ある企業は紋切り型の推薦モデルを提示される方もおられたのですが、東北環境技術さんだけが現在我々が取り組んでいる仕組みを活かして、修正や改善を加えて型にはめず当社独自の仕組みをつくりましょうといった説明をされました。その説明に共感しました。それが選定の決め手になりました。
○辺見工場長
 従来から、得意先へ品質記録提出や品質改善提案などを行ってきました。その仕組みを活かしてよりよい体制を築くわけですから、大上段に構える必要がないのでプレッシャーはなかったと思います。

●リーマンショックで生産の落ち込んでいる時に取得決断をされたわけですから、お悩みにはなりませんでしたか?
○野渡社長
 リーマンショックを乗り越えられれば復活できると確信していました。生産の落ち込んでいる時期こそ、学習時間が取れるのです。全員で取得へ向かって邁進しました。
 内部監査員も各部署から2名確保できる体制をとりました。社内で審査する側も審査される側もISO内容を熟知して欲しかったのです。毎回20名から30名の社員が出席する講習会はめったにないのではないでしょうか。内藤コンサルも驚かれたのではないでしょうか(笑)。当時はそれだけ時間的余裕があったということですね。

●認証取得を進めるうえで、事務局としてのご苦労はございましたでしょうか?
○平課長
 内藤コンサルから、進行スケジュールや業務マニュアル完成へのアドバイスをいただきました。それに基づいて、自分たちのペースで作業ができましたので苦労はなかったですね。ただ、用語の使用に慣れるまでが少々時間がかかったかなという思い出があります。

●現場の方は、業務マニュアルや業務フロー表を完成するのに苦労されたのでしょうか?
○辺見工場長
 当社は、以前からそれらの文書は揃えておりました。現場の人間も書くことには違和感を持ってないので文書作成の点で問題は発生しなかったですね。
○野渡社長
 7割の準備ができていて3割が足りなかった状況だったと思います。得意先様とのお付き合いの中で関係資料作成の下地ができていましたので苦労はなかったようです。ISOを取得するということは、改善や修正を宣言して理想の形へ近づけることだと理解しています。今は、ベストではなくよりベターなものを形作ることが重要なんだと従業員にも話しました。プレッシャーを感じず、皆の肩に力が入らなかったことが良かったのかもしれません(笑)。

左から、平課長、野渡社長、
辺見工場長です。

●ISO管理責任者として、工場長様の苦労をお聞かせくださいますか?
○辺見工場長
 身の丈に合った規模に合わせて当社に必要なもの、得意先が要求している必要なものを分類しました。当社が準備するものに得意先が必要とするものを足せばよいと割り切って考えましたので、苦労という苦労は感じなかったですね。従業員への負荷もなかったと考えています。

2010年1月に
認証取得をされました。

●次に、ISO14001の認証取得は目指されるのでしょうか?
○野渡社長
 今、平が検討中です。実は、エコアクション21を取得しています。顧客の意向もエコアクション21段階であれば問題ないという状況です。今後、それ以上要求される場合は、ISO14001取得も考慮せねばならないと考えています。

●ISO9001認証取得後、従業員様の意識は変化されたでしょうか?
○野渡社長
 今まで不安であった部分が解消されたと思います。当社の仕組みが問題ないと公に認知されたわけですから仕事を進めるうえで自信ができたと感じます。

●ところで、東日本大震災の被害や影響を、貴社は受けられたのでしょうか?
○野渡社長
 地震の際、私は横浜におりました。社員の安全や健康に遠方で気をもみましたが、工場長以下幹部社員が全従業員の安全を確認してくれたことでほっとしたことを思い出します。被害補修費用に400万円弱ほど費やしましたでしょうか。しかし、稼働を停止したのは一週間だけでした。工場長以下全従業員には、早期復旧ができたことに関して深く感謝しています。
 その後の風評被害の影響は、受けませんでした。単体で使用されるものではなく、組立場所が福島県外でしたので、影響は受けなかったですね。それよりも、社員の健康被害を考えて、工場を他の地域へ移転することも一時は検討しました。しかし、全従業員が移転しない以上それは不可能と判断し、この福島で生産を継続する決断をしました。昨年9月に第2工場を増築したのも、ここ福島で生きていくという決断の表明だとお受け取りください。

●福島工場は25周年を迎えたわけですが、野渡様の感慨をお聞かせくださいますか?
○野渡社長
 当初12名でスタートした工場が、現在139名まで増えたのですから感慨深いです。平君もその12名の中のひとりです。従業員は全員福島県出身者ですので福島県の雇用安定に少しは寄与できているのではないかと思います。私は横浜出身ですが、週4日は工場に在籍していますので、友人たちは立派な福島県民だよと言ってくれるのを嬉しく思っています。この福島にいる限り地産地消と言いますか、なるべくお金は福島に落としたいと考えています(笑)。25周年行事も地元本宮市で開催しましたので、実践できたかなと思っています(笑)。

●本日は、お忙しい中お話を伺い有難うございました。

【編集後記】
リー マンショックで時間に余裕ができたからと、ISO9001認証取得を野渡代表取締役は決断されたそうです。災い転じて福をなすということわざ通り、リーマ ンショック以前の年に比較しても、毎年26%以上の生産量が伸長しています。将来、益々福島県の雇用安定に寄与される企業になるようです。ここ数年は、4 名から6名ほどの新卒者を採用されているそうです。
さて福島第2工場は、147kWのソーラー発電設置がされた最新工場です。環境にも配慮されて いる企業であることがわかりました。ところで野渡様のモットーは、「使う身になって作ろう良い製品」だそうです。確かに品質の良さが他競合企業との差別化 を生むと考えて事業を推進されたのでしょう。その結果、顧客様は品質の良さを認め発注を増やすわけですから生産が増加するのは当然です。
担当した 内藤コンサルから、代表取締役や管理責任者のリーダーシップはもちろんのこと、参加者一人一人の意識が高いことに驚いたというコメントを聞きました。これ も「使う身になって作ろう良い製品」の精神が現場隅々まで行き渡っている成果では?という感想を持ち、帰宅いたしました。

インタビュアー:有限会社インターナショナル・コミュニケーションズ代表 菅野孝雄
2013年4月