東陽工業株式会社様

ホームページ:https://www.toyo-kg.jp/

 福島県本宮市にて、火力発電プラント及び都市ごみ焼却設備関連品、公害防止機器関連品を製造販売しています。設立が、昭和20年10月という息の長い地場企業様です。
 資本金4千万円、従業員29名です。プラント設備品に特化しているため、大手プラントメーカーとの取引も長く、安定した品質を供給していることで、何度も表彰を受けています。

本社事務所外観です。

こちらは工場です。

 2010年8月からコンサルを開始し、2011年3月11日の震災に遭遇、一時はコンサル中断を余儀なくされましたが、2011年8月、無事にISO9001認証を取得されました。
 コンサルティングは、清和が担当いたしました。
 
 代表取締役社長 渡邊光様と、事務局となり現場との橋渡し役をされた取締役生産管理本部長で製造部部長である佐藤広明様からお話を伺いました。

●ISO9001認証取得は、渡邊社長が決断されたとお聞きしております。経緯をお教えください。
○渡邊社長
 取引先に大手上場企業が多く、幾つかの会社様から取得要請があったため決断しました。三菱重工様からは、9001認証を取得すれば検査を省略するといったお話もいただきましたので、検査時間短縮とコストの節約にもなると考えました。
○佐藤部長
 三菱様、日立様、川崎重工様、東芝様とのお付き合いの中で、作業のシステム化は、当社内ではできていると自負していました。しかし、統一した生産の仕組みを見える形にしたかったので、取得要請は渡りに船だったと記憶しています。

●東北環境技術のコンサルについての印象をお聞かせください。
○渡邊社長
 以前の社内文書は、厚い本のようになっていました。清和さんからは、読みやすいように簡潔にまとめるよう指導を受けました。かなり薄くなり、使い勝手が良くなりました。感謝している点ですね。
○佐藤部長
 親切で丁寧に教えていただきました。穏やかな人柄という印象が強いです。教えてやるなどという態度もありませんでしたし、評判は良かったですね。今後も、指導をよろしくお願いしたいと思います。

●佐藤本部長は、事務局としてのご苦労があったと思いますが、お聞かせ願えますか?
○佐藤部長
 コンサルを受けるのは、初めての経験でしたので、まずは素直に聞くことが大切だと感じました。素直に、指摘されたとおり、文書や工程フロー表をまとめました。外部から観察された、第三者の目も大切なのだと思いました。
 従業員には残業をさせないようにしました。その分私たち管理職が、文章のチェックなどに時間を費やし帰りが遅くなりました(笑)。作業マニュアルは、以前からできていましたが、統一した言語に置き換える作業に時間を取られました。暑い夜の作業は大変でした。
 また、震災の影響で、清和さんと私どものスケジュール調整が合わないこともありました。取得時期が遅れたことを残念に感じています。震災がなければもっと早く取得できていました。

●ISO9001を取得されたことで、貴社にとって良かったと思われることはありますか?
○渡邊社長
 従業員の意識が変わったことでしょうか。日頃から、5S、特に3S(整理・整頓・清掃)を徹底するよう指導してきました。ISO取得作業を通じて、3Sをするのが当たり前であることがわかったようです。来客された方が眉をひそめるような職場環境にはしないということを理解してくれました。

●先ほどおトイレをお借りしましたが、朝からピカピカで清潔そのものでした。こちらも汚さないよう十分気をつけて利用させていただきました(笑)。
○渡邊社長
 そう言っていただくと嬉しいですね。我々管理職は、朝7時15分までに出社して自ら事務所の清掃を実践しています。7時半にはモップもかけ、机の拭き掃除も完了しています。当社の役職者には、早朝出勤が当たり前という習慣がありますね。従業員が気持ちよく作業するためにも、率先垂範が大事なことだと思っています。毎週水曜日には、全員が工場に立ち入り、清掃することにしています。このことにより、事務所の人間も整理整頓してあれば治具類がどこにあるのか理解できます。3Sの大切さと無駄を少なくすることが身についたと思います。

●ISO9001の一年目更新も問題なかったとお聞きしました。次に、ISO14001認証取得のご予定はおありでしょうか?
○渡邊社長
 世の中の流れに沿って前向きに検討しています。まずは、ISO9001で要求される事項を社内で充分徹底浸透させてから取り掛かりたいと考えています。

ISO9001の認証登録証です。

●情報の共有化についてお聞きします。仕事の工程スケジュールや受注状況などを、従業員の方はご存知でしょうか?例えば、これ以上受注できない状況にも関わらず受注してしまい納期が遅れるといったようなことはありませんか?
○佐藤部長
 それはないですね。一週間ごとに工程表や受注スケジュール表を公開しています。仕事の進行状況を全員が理解しています。

●震災の影響を克服して、以前の工場運営ができるようになったとお聞きしました。今後の抱負を聞かせていただきたいのですが。
○渡邊社長
 震災時は、原町火力発電所の修理部品の受注もありました。発電プラント関係は落ち着いてきましたが、今期予算は達成する予定です。現在の達成率は90%です。今は、瓦礫処理用の焼却炉ダクトを手がけています。具体的には気仙沼の焼却炉ダクトを受注しています。大型のダクトですので、品質には十分留意しています。従来手がけている公害防止機器と共に、全国向け焼却炉ダクトの受注に期待しているところです。
 従来からの得意先は、当社製品の品質を高く評価してくれていますので、我々は、品質維持もさることながら、期待する以上の製品を供給したいと考えています。それが受注へとつながると信じています。顧客満足度が高いからこそ、当社は、設立から67年も存続できていると自負しています。人間の生活環境を守る製品(排煙脱硫脱硝関連)にも特化しているので、今後もこの分野を伸長させたいと願っています。
 来年は、イラクの火力発電向け部品も受注しているので、忙しくなると期待しています。風力発電部品も国内のメーカーさんから引き合いをいただいており、将来の楽しみのひとつです。

ダクト製品の一部です。

【編集後記】
 中国製品には、品質では決して負けないという誇りを持っている、福島県の地場企業様でした。自社の品質を維持するため、全社員様がISO9001(QMS)を構築し、運用することに力を入れています。
  来訪者にいかに満足して帰ってもらうか、3Sを徹底している企業でもありました。社長自ら早朝出勤をして清掃をするのも、従業員に気持ち良く仕事をしても らうためでもあるのです。静かに話す社長さんでしたが、周囲の環境を良好に維持するためのプラント関連部品を製造しているという自負をお持ちです。そし て、自社製品の品質に絶大な自信をお持ちです。
 エキスパンジョイントやダンパーの製品を説明していただきましたが、簡潔で分かりやすく、十分理解 できました。工場の中も覗かせていただきました。大口径のダクトを大量に製造されていました。
「これが気仙沼の復興にも役立つので、全従業員総出で張り 切って仕事をしています。」と、嬉しそうに話す社長の笑顔が印象に残っております。
 ところでトイレを利用させていただきましたが、嘘偽りなくゴミひとつもありません。清潔そのものでした。朝早くから清掃された管理職の皆様へ頭が下がってしまいました。

インタビュアー:有限会社インターナショナル・コミュニケーションズ代表 菅野孝雄
2012年10月