川口内燃機鋳造株式会社様

ホームページ:http://www.kawaguchi-e.co.jp/

 福島県田村市滝根町に位置する、福島工場を訪問いたしました。
 本社は埼玉県川口市にあり、資本金1億円、従業員数200名、設立が昭和13年8月という伝統ある鋳造企業です。
 福島工場の敷地は、約2万6千坪です。工場の土手には、灌木を利用して『KN』(川口内燃機鋳造の略)のマークが設置されています。現在は、トラックや特殊車両等エンジンのシリンダー鋳造品を製造しています。
 この川口内燃機鋳造株式会社様を一躍有名にしたのは、昭和39年に開催された東京オリンピックの聖火台を製造したことです。テレビに何度も映し出された大きな聖火台を憶えている方は、今でも多いと思います。

すっきりとした、現代的な工場です。

2Fのロビーには、ゆったりした広いスペースが設けられています。

 2007年2月から2008年6月までのコンサル期間を経て、ISO9001・14001の認証取得をされました。コンサルティング担当は、渡辺でした。
 さて本日は、ISO管理責任者で常務取締役の杉浦保樹様と、事務局であり技術部技術課の西牧崇様からお話を伺いました。

●ISO9001、ISO14001認証を取得するに至った経緯をお聞かせください。
○杉浦常務
 当時の社長(現会長)から取得を命じられたのです。当社製品の半分以上が海外に輸出されることもあり、海外の納入先から取得要請がありました。また、得意先上場企業から取得要請があったことも、決断をした動機だと思います。

ISO9001を2008年1月14日に、
ISO14001も同年8月26日に
認証取得されました。

●なぜ、東北環境技術とコンサル契約をされたのでしょうか?
○杉浦常務
 社長から取得を命じられた直後、東北環境技術から電話連絡を受けました。タイミング的にぴったりだったのです。東北環境技術の常磐社長から説明を聞き、福島県内のコンサルタント企業でもあり即決しました。というのは、ある得意先様から東京のコンサルを紹介していただいていたのですが、遠いし二の足を踏んでいたのです。渡りに船そのものでしたね(笑)。常磐さんの易しい解説が、大きな決め手でした。

●担当コンサルについての印象をお聞かせください。
○杉浦常務
 使い勝手が良くなったのは、渡辺さんのおかげです。当社の考え方を柔軟に取り入れてくれましたね。仕組みについても、何度も現場にマッチングするよう修正してくれました。難しい仕組みだと運用が困難になりますので、たいへん助かっています。
 一年半の間、真剣に向き合ってくれたと思います。ISOの基本文書の解説も、噛み砕いて教えてくれたので、理解が早まりました。私が読んで腑に落ちない点についても、根気よく教えてくれたという記憶があります。現場からも好評でしたね。西牧君の印象はどうだった?
○西牧様
 同じ印象です。丁寧に教えてもらい、とてもやりやすかったです。

●ISO9001、14001と取得されたのですから、次はOHSAS18001の取得を目指しているのでしょうか?
○杉浦常務
 現在検討中としておいてください(笑)。労働者の安全衛生にも配慮しなければならないとは考えています。

●西牧様は、事務局としてのご苦労があったと思いますが、お聞かせください。
○西牧様
 事務局の立場というより、工場の一員である立場から、仕事の手順化が大事だということを再認識させられました。業務手順書は大事です。それがしっかりまとまっていれば、仕事の引継もスムーズに行うことができます。その当り前の手順書づくりについて、事務局として少しお手伝いができたかなというのが、私の実感です。日々の改善が大事なんだといつも考えています。新入社員にとっても、理解のしやすい手順書ができたのではと自負していますが、すべての仕事の見える化には、道半ばだと思っています。今後も改善していきたいと思っています。
 私は、入社して日が浅かったので、杉浦常務のリーダーシップがなければスムーズに準備作業が進行しなかったと思います。本当に杉浦常務には感謝しています。コミュニケーション能力を磨かねばと気づかされました。

ISOを取得して良かった点は、おありでしょうか?
○杉浦常務
 マニュアル通りにやるということが徹底された点でしょうか。
 ISOを利用して、今まで文句が言えなかった部署も言えるようになりました。不具合が発生したら、是正要望を書類にして提出すれば、必ず文書で回答が返ってきます。取得以前ならば、口頭で済ませた回答も、しっかり文書として残るので、同じミスを繰り返さないようになりました。このような習慣が当たり前になったことが嬉しいです。
 しかし現実には、短期間に仕事が集中すると、文書を書くことを忘れる場合もあるようです(笑)。徹底するよう指導しています。

●ところで、今年の販売状況はいかがですか?
○杉浦常務
 当社では、出荷量の7割が産業機械・建機向けで、3割が自動車(トラック)向けです。若干、中国向け輸出が日中関係の悪化の影響を受けて減少しています。影響は、来年からと予想していましたが、11月受注分から減少傾向にあります。
 特殊車両向けのシリンダーですので他企業に代替されることはありませんが、経済の先行きには懸念材料がありますね。今期も予算を達成したいですね。

生産されたシリンダーの一例です。

【編集後記】
  2008年にISO認証を取得されて4年目を迎え、内部監査も現場に任せておられるようです。品質維持もさることながら、より一層顧客満足度の高い製品を いかに供給できるか、日々改善の毎日ですとの苦労話を伺いました。中国製品の品質も向上してきており、品質の点では負けない日本企業のものづくりの仕組み を作ることに取組んでおられることも、十分理解いたしました。『ISO認証を取得して良かった。』という話を聞けば、担当させていただいたコンサルタント にもこれからの仕事の励みになることでしょう。
 ところで、帰り際、杉浦常務から工場見学をして帰るよう勧められました。お言葉に甘えて、30分ほど工場見学をさせていただきました。
  実は数年前、ある鋳物工場を訪問した際、ズボンの裾がコークスで真っ黒になった経験があります。ズボンの裾をまくろうかと考えましたが、その懸念は取り越 し苦労でした。工場内はよく清掃されており、すすなど落ちてはいないのです。粉塵も少なく、防塵マスクも必要ないくらいです。
 案内してくれた西牧さんにその点を訊ねると、5Sを実践しているからでしょうとの回答でした。工場事務所の受け付けもおしゃれです。鋳造企業様へ抱いていたイメージが、180度転換してしまいました。広々とした敷地で、のびのびと働けるともおっしゃっていました。
 これからも、社内で培った品質技術に磨きをかけて、顧客満足度を高める努力をされる川口内燃機鋳造株式会社様へ、エールを送りたいと思った一日でした。

インタビュアー:有限会社インターナショナル・コミュニケーションズ代表 菅野孝雄
2012年11月