株式会社サンエイ海苔様

ホームページ:http://www.sunei-nori.com/

 福島県相馬市沖ノ内で昭和48年に会社を設立し、障害のある方や地元の方を雇用することで地域にたいへん寄与されている株式会社サンエイ海苔様を訪問しました。現在の資本金は3450万円です。
 さて東日本大震災では冷凍倉庫を津波で流失、社員様や社員のご家族様にもお亡くなりになられた方がいらっしゃったとお聞きしました。しかし、苦境の際も社員様を解雇することなく雇用し続けた代表取締役立谷一郎様を中心に事業を再開し、現在に至っているとのことです。

 地元福島県産の海苔は現在使用できませんが、地元海苔と同様、品質の高い他県の海苔を利用することで、従来の美味しい海苔を全国に供給し続けているので す。韓国海苔の製造販売にもいち早く着手した手腕や、従業員の生活を守る経営者として、海苔業界でも立谷社長を称賛する声が上がっていることを事前にお聞 きしておりました。

 今回は、東北環境技術のコンサルが事業再開に寄与したのかどうかなど伺うことにしました。年末でお忙しい中を、工場長の伊東文雄様、生産管理課主任の梅田和重様、商品物流課主任の佐藤裕之様からお話を伺うことができました。

●なぜ、ISO9001の認証取得が貴社に必要だったのでしょうか?
○伊東工場長
 ISOを導入することで社内体制を改善する必要があると、立谷社長が判断しました。ISO認証取得することで、部門ごとの活動を企業の望むベクトルへ一致させたいと考えたと思います。

●2008年3月から2009年3月まで、内藤がISO9001認証取得支援のコンサルを担当したそうですが、印象などお話し願えますか?
○伊東工場長
 元気にはきはきと我々の疑問に答えてくれていました。社内の改善にしっかり取り組んでくれたという印象があります。当社内部のコミュニケーションがさらに良くなったのも、内藤さんの貢献大だったと思います。社内文書の管理について改善がなされたことは、仕事に役立っています。
○梅田主任
 まず、部門長ごとに内藤さんから教育を受けて、部門長から下部部門に教育を浸透させるという手順をとりました。部門長が管理するわけですから、何をチェックするかトップが理解することから始まりました。製造日報などは従来からありましたが、当社の仕組みを再構築したという印象があります。
○伊東工場長
 当初は、ISOの基準を利用して社内体制を改善するということから始めたのです。以前の社内の仕組みがISOに沿っているのかどうか、見直しをした記憶があります。当社の仕組みにないものを追加したのです。骨組みに、必要な肉付けをしたということでしょうか。

認証登録証です。
2009年4月に取得されました。

●コンサルを通じて、何か個人的にプラスになったことはこざいますか?
○佐藤主任
 恥ずかしながら、当時はPC操作にも疎かったのですが、認証取得のための文書作りなのでPCスキルが上がりました(笑)。また、情報の共有化ということで他部門の業務フローもわかりましたので、社内で何を改善すべきなのか理解できるようになりました。

●梅田様は、事務局としてのご苦労など、ございましたでしょうか?
○梅田主任
 昔、ISO認証取得に関わった経験がありましたので事務局に指名されました。事務局のなすべき役割分担も、よく理解していましたので、苦労ということはありませんでした。
 ところで、コンサル終了後も、内藤さんは良き相談相手になってくれましたので、たいへん助かりました。具体的には、HACCPの指摘事項などへの回答などにも相談に乗ってくれました。

●震災の影響を受けたとお聞きしましたが、具体的にはどんな被害を受けられたのでしょうか?
○伊東工場長
 浜にあった原料は、ほとんど流出しました。手持ちの在庫がなくなれば製造ができなくなりました。原料確保に苦労したと思います。
○梅田主任
 製造を開始しても、相馬市にある企業ということで風評被害の影響が大きかったと思います。原発に近いというだけで、海苔を購入しないお客様もいます。現在の本社工場内の放射線量は、東京と変わりはないのです。また、原料も福島県以外の品質の良い海苔を利用していますので、従来の美味しい海苔を製造販売できています。品質を落とすことは顧客を失うことですから。

熱心に作業されていました。
工場内は、清潔そのものです。

●製造再開するうえで、ISO9001認証取得は、プラスになりましたでしょうか?
○梅田主任
 本社工場で製造再開するうえで、業務フロー表、製造業務マニュアル、仕入れ業務マニュアルなど、各部門担当が持っていましたので、当社として何をすればよいのか担当ごとに理解していました。生産管理部門で困っていることは、他部門も理解してくれていたので役立つアドバイスなどを受けることができました。認証取得後情報の共有化が進んでいたことは、事業再開にプラスになりました。各部門ごとに目標を立案して達成度を全社員がわかるようになりましたので、コストや品質改善にも大きく貢献したと思います。
○伊東工場長
 中途採用の方の教育にも、教育マニュアルを利用できますので助かっています。教育訓練記録を残すようになったことも改善点ですね。

● 今後、新たなISO14001等の認証取得をお考えでしょうか?
○梅田主任
 現在は考えておりません。将来は、できることなら食品安全衛生マネジメントシステムのISO22000を勉強してみたいとは考えています。ISO9001認証取得後、部門ごとの仕事の仕組みを全社の仕事としての仕組みに変えてはいますが、改善することはありますので。

最後の検品作業です。
海苔の色、形、味付けなどを確認します。

【編集後記】
  海苔の製造工程を見学することができ、案内していただいた梅田様から、窓越しに製造工程について説明を受けました。海苔の製造工場が直売所に隣接してお り、製造工程をガラス越しに見学することができるのです。本当に整理整頓がされている工場だと確認できました。一人一人の作業も、きびきびとして熟練され た方が多いという印象を受けました。5Sが徹底していることも、工場内部を見ることですぐわかります。
 さて、震災当時本社工場に残っていて家を 失った社員様のため、住む場所の確保に奔走された立谷社長のご苦労はいかばかりだったのでしょう。そして、立谷社長を中心に事業再開をされた関係者のご奮 闘に敬意を表します。今回は、年末の生産に追われて工場長様以下梅田様、佐藤様もご多忙でした。こちらの都合で急遽インタビューを受けていただき、誠にあ りがとうございました。
 インタビュー終了後、直売所で国産の味付け海苔、わさび海苔と韓国産のおかず海苔を購入して帰宅しました。どちらの海苔も美味しいので満足しました。妻からもっと購入してきてほしかったとのクレームがありました(笑)。
 サンエイ海苔様の商品は、インターネットでも購入できるのです。次回は、楽天市場かamazonから購入したいと考えています。便利な世の中になりました。
 ところで同じ福島県人として、復興へ邁進している企業様の商品を購入するのは当然のことなのです。地産地消こそが、今、福島県に住む者に求められていることなのです。

インタビュアー:有限会社インターナショナル・コミュニケーションズ代表 菅野孝雄
2013年1月