東洋システム株式会社様

ホームページ:http://www.toyo-system.co.jp/

 福島県の中でも温暖ないわき市常磐西郷町銭田に本社を構え、充放電評価装置の設計開発・製造・販売をする企業として世界的にも有名な、東洋システム株式会社様を訪問いたしました。
  充放電評価装置とは、携帯機器・ハイブリッドカー・電気自動車までの広範囲に使用される二次電池を研究開発する際に使用される装置です。ほとんどの電池・ 電機メーカー及び自動車メーカーで採用されており、自動車メーカー独自で二次電池を評価しているところもあります。 この製品以外にも、安全性試験装置・ 電子応用製品及び機械応用製品などの試作装置を製造販売されています。
 平成元年に会社を設立し、資本金は1億円です。取引先は、電池・電機メー カーの企業グループと自動車メーカーです。そして、宇宙航空研究開発機構・産業技術総合研究所などの研究機関との取引も順調のようです。売上金額について は、2010年が約27億円、2011年が約44億円、2012年が46億円と、順調に推移しています。

工業団地の一角に、本社・工場と
研究開発センターが建っています。

  この充放電評価装置になぜ着目し起業したのかなど、また、2009年11月に「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」の日本代表に庄司社長が選出され、世 界50ヶ国の代表と「企業家世界一」を2010年6月モナコ世界大会で競った経緯などもお聞きしようと思います。社員数が91名ですが、この企業が創り出 す試験装置が、事実上の世界標準になろうとしています。
 今回は、ISO管理責任者の永島総務部長様からお話を伺いました。

●福島を車で出発する際、雪が降り出しており5センチほど積もっていました。しかし、いわき市に到着すると雪のかけらもありません。福島県でもこんなに気候が違うものかとびっくりしました。福島が出発時零下2度でしたが、こちらは4度ですから驚きです。

○永島部長
 気候は東京とそんなに変わらないと思います。 温暖で生活しやすいのがいわき市の特徴で しょうか。当社も高速道路インターから比較的近い場所にあり、関東からは常磐高速道を利用できますし交通の便は良いですね。

●本当に御社は交通の面に恵まれていると思います。ところで、働いている方は地元の方が多いのでしょうか?
○永島部長
 地元出身者と福島県境に近い茨城県からも採用しています。今年の新入社員も、地元出身で大卒・高卒を問わず数名採用する予定です。

●地元の雇用支援にも貢献されているのですね。さて昨年11月にISO14001の認証取得をされましたが、なぜ取得するという決断をされたのでしょうか?
○永島部長
 当社は、ISO9001認証を取得済みでした。続いてISO14001も取得する準備段階に入っていました。クリーンなエネルギーを利用して地球環境を汚さないという社長方針があり、認証取得へ早急に取り組むことになりました。ところが東日本大地震と原発事故の影響で一時避難していたこともあり、一旦はISO14001の取得を断念しましたが、業績順調なことから取得を目指すことにしま した。再びISO14001認証取得に向かう社員のモチベーションを上げるのに1年間要しました。東北環境技術の清和コンサルとは、通算3年間のお付合いとなりました(笑)。清和コンサルは、我々の度々の質問にも快く応じてくれました。親切丁寧なコンサルだったと思います。

2012年11月に、ISO14001認証を
取得されました。

●さて次に、アントレプレナー・オブ・ザ・イヤーを受賞した経緯についてお聞きします。たくさんの宣伝広告費を費やし自社製品のPRをして顧客を獲得する、従来のアウトバウンドマーケティングという販売方法があります。この「企業家日本一」を受賞されたことで、新しい顧客が御社のHPを探して問い合わせをしたり発注に結びついたりと、見込み客を引き寄せるインバウンドマーケティングを御社は実践されたのではないかと推察します。そして日本代表に選出された後に、御社に対し周囲の見る目が変わったのでしょうか?
○永島部長
 ある方から応募するよう庄司社長が薦められたのです。東北大会で優勝すると、東北大会審査員の方からもぜひ全国大会で優勝して東北企業の名前を全国に広めてほしいと激励されました。全国大会では部門賞をいただきましたので、満足して帰る予定でした。最終段階では、大手上場企業の社長さんとの決選だったのです。数千人の従業員を抱える大企業社長に、従業員60名(当時)の当社社長が勝てるはずがないと思っていました。しかし、日本代表に選出されたのです。
 この賞をいただいてからは、行政機関、銀行などから社長へ講演の依頼が殺到しました。企業からも製品に対する問い合わせや引き合いが増加したと思います。テレビのCM広告などしなくても注文問い合わせが来たことは、インバウンドマーケティングを実践したことではないかと先ほど言及されましたが、その通りだと思います。

●充放電評価装置を開発したのは、どんな経緯だったのでしょうか?意地悪な質問かもしれませんが、充放電装置では電池の評価をする際、多量の電気を使用すると聞いています。これは環境に悪影響を与えるのではありませんか?
○永島部長
 経緯についてまずお答えします。庄司社長が過去に中国を訪れた際、トラックや自動車の排煙に悩まされた経験から、将来、中国には電気自動車産業が適しており、地球環境を守ることにも直結すると直感したそうです。そのことから、二次電池の将来を予測したことが充放電評価装置の設計開発につながったと考えています。
 次に環境マネジメントに関する質問への回答です。
 確かに、電池を検査する際、充電と放電を繰り返し行うため多量の電気を使用します。しかし、この検査によって長持ちし、何度でも利用できる耐久性の優れた二次電池が生まれるわけです。使い捨て電池ではない環境にもやさしい商品を生み出すため、最小限の電気を使用するよう研究を重ねています。将来を考えると、地球環境を守るためのお手伝いをしていると思います。地球環境を守る人たちのバックアップを続けることが社長庄司の念願です。

●庄司社長の経営理念にも、「地球環境を守るための企業をバックアップする」という文章が記されています。直近のバックアップ事例などお聞きしたいのですが?
○永島部長
 ハイブリッドカーや電気自動車、そして未来の介護用ロボット用二次電池の開発に、積極的に関わっています。良質な二次電池を自動車メーカーや各電機メーカーも研究開発しており、当社の二次電池用試作装置が深く関わっています。

 本社入り口に、2代の車が展示してあります。
どちらも東洋システム株式会社の二次電池用試作装置を
活用して搭載電池を決定したのです。

TOYOTAプリウスとMITSUBISHIミーヴですね。
将来は介護用ロボットが展示されることでしょう。

 

●自社製品コンセプトのもとEMS(ISO14001)が必要と判断され、構築を目指されたことが良くわかりました。本日は、どうもありがとうございました。

【編集後記】
  入り口前にハイブリッドカーと電気自動車が展示されています。東洋システム株式会社様の二次電池評価装置を利用した電池が搭載された、一番最初の車だそう です。取引先の自動車メーカーや電池・電機業界からも、製造販売している評価製造装置・安全性試験装置の品質性能への信頼が高いとお聞きしています。他社 に抜きん出た品質の製品を生み出し、環境へも配慮している企業だなと理解しました。平成24年2月には、「第4回ものづくり日本大賞優秀賞」も受賞されて います。確かに新しい顧客が問合せをしてくるのもよくわかりました。裏打ちされた品質と評判の良さによって、多くの見込み客が興味を持つわけです。
 「企業家世界一」世界大会でも、二次電池開発検査装置の先見性と高い技術力を評価されたそうです。この装置が事実上の世界標準になりつつあることも評価されたのでしょう。

本社入り口には『エネルギー産業における技術開発で世界に貢献する』
という企業理念が掲示されていました。他企業がまねのできない技術
開発こそが、技術系日本企業の生きる道なのでしょう。

 さて清和コンサルより、EMS構築途中に本社移転や震災の影響もあり、通算3年間のコンサルティングになったとお聞きしました。その間中、永島部長はじめ事 務局担当の山崎様、佐川様が、辛抱強くISO取得へ向けて社員様をサポートされたそうです。事務局お二人のサポートが社員様の取得へ向けたモチベーション を回復させたのではないかという清和の感想を特筆させていただきます。
 福島県から世界に大きく羽ばたく企業様を取材できたという感想を持ちながら、帰途につきました。

インタビュアー:有限会社インターナショナル・コミュニケーションズ代表 菅野孝雄
2013年2月