大塚鉄工株式会社様

ホームページ:http://www.otsuka-tekko.co.jp/

 大塚鉄工株式会社様は、自動車関係の部品(主にトラックの部品)の鍛造と、油田掘削の機械の部品の鍛造をしていらっしゃる会社です。
 2011年3月にコンサルティング契約をしましたが直後に震災に遭遇、その影響によりISO9001のコンサルの開始が1ヶ月遅れることとなりました。途中、ISO14001の取得も目指すことになり、2012年3月、統合システムにて無事に認証取得をされました。コンサルティング担当は、渡辺でした。

工場内の緑の中に、創業者である大塚宝(みのる)氏の胸像がありました。

 今回、面談をいただいたのは、常務取締役工場長の大塚芳弘様です。

●ISOの取り組みが始まって直後の震災だったと記憶しています。やはり影響はございましたか。
○大塚工場長
 電気が止まりましたが、特高の契約をしていますので、予備線からいろいろ確認をしながらつないでいって、早いうちに使えるようになりました。ですが、冷却などに使う水が来ませんでしたので、実質的には2週間ほど自宅待機状態になりました。工場は少しひびが入ったくらいでした。大きな型を載せた棚が倒れたらたいへん危ないところでしたが、おかげさまで一つも倒れることはありませんでした。ただ、加熱炉の煙突が一本折れてしまいましたので、それは交換をしました。結局、ISO活動が始まったのは、1ヶ月後でした。

●それでも、予定通りに進められて、認証を取得されました。ご苦労もあったでしょう。
○大塚工場長
 実は、2000年以前に一度取得を検討しまして、社内でマニュアル作りなどしたのですが、その頃ISO9001が大きく変わると聞きましたのでその後に取り組むことにしました。ただ、その後その意識も途絶えたところがありました。取得の要請も強くはありませんでしたし。
 その時に作ったマニュアルは、書類づくりに追われるような内容のものだったので、コンサルタントの渡辺さんから事業の実態に合ったものを作っていく指導を受けました。その点が、ひじょうに良かったです。
 ただ規格書を見ただけではその解釈が難しいものですが、そこを自分たちにできる形で、しかも要求事項を満たしながら作ることができました。

●ISO9001の取り組みが始まって、1ヶ月後くらいでしたでしょうか。14001も同時期に取得することになりましたね。
○大塚工場長
 はい、最終ユーザーから、当社がISO認証企業であるかどうか問合せがあり、早急に取得を目指すことになりました。ISO9001、14001両方の取得が必要になりました。それで、渡辺さんにも相談し、すぐにやりましょうと言っていただいたので助かりました。品質と重複するところがあるので、統合で作っていきましょうと、力強く言われました。
 渡辺さんにお会いした時、大きな体の割には鍛えられた筋肉が目立ったので、何のスポーツをされているか聞きました。するとトライアスロンをしていると聞き、夏の現場作業で肉体を酷使している工場作業者への良きアドバイス、又は指導をしていただけるのではないかと思いました。

製造工程、製品の基礎知識について、
大塚工場長から教えていただきました。

●現場の方では、ISO活動はどんなふうに進められていましたか。
○大塚工場長
 鍛造の現場というと、ちょっと荒々しいような感じがするんですが、渡辺さんにも全員が集まったところで話をしてもらいましたし、個々のグループでも集まって話をしたりしていました。
 特に環境の方では、今までそんなに意識したことがありませんでしたので、産業廃棄物の扱いについての取り決めなど、社内でPRをして認識を深めるようになりました。ISO14001の活動の中で、自分の工場が何を入れて何を出すのか、今までそうしたことを総合的にやったことがなかったので、みんなが課題として共通認識を持つようになったというのがあります。データシートを取り寄せ、産廃のマニフェストの処理なども期限を決めてきちんとやるようにし、少しずつ意識が変わり、勉強になりました。

●実際、コンサルティングを受けられて、いかがだったでしょうか。
○大塚工場長
 火曜日の勉強会を設定しても職場の事情で開始時間が遅れたりしました。しかし渡辺さんには私たちの置かれた状況を理解していただき、文書化についても現状やっていることを基にしてシステムを作るようにしていただいたので、そんなに面倒なことはありませんでした。
 環境の方も、特殊な言葉に最初は戸惑いましたが、当社の場合はどうなのかといろいろ具体的な例を挙げてもらい、わかりやすく説明していただきました。
 当社の社員の平均年齢は、42歳くらいです。現在、66人が働いています。我が社では、そんなに量産はありません。多様な製品を作るため、人材の多能工化も必要と思っています。ISOに取り組む中で、他部門の人間もよその職場が何をしているのか、課題は何なのかといった問題を認識できたと思います。個人の多能工実現にもプラスになるはずです。

工場の入り口には、ISO9001/ISO14001認証取得の
標識が、掲げられていました。

●ISOには関係はありませんが、最後に、御社の強みは何だとお思いですか。
○大塚工場長
 人にやさしい企業であり続けたいと考えています。当社は、海外に工場を移管しておりません。国内でのもの作りに徹しています。これは社長の方針で、国内の雇用確保を優先しているからです。卓越した日本人の技術を国内に残すことが、日本のため、労働者のためになると信じています。

 

【編集後記】

 製品や製造工程の説明にも時間を割いていただき、鍛造という仕事について理解することができました(編集人の勉強不足で申し訳ありません)。本当に体力の消耗の激しいお仕事なので、各ラインに設置した冷蔵庫にスポーツドリンクを常備し、まめに水分を取るようにしているそうです。
 節電への取り組みや、排熱を利用した省エネルギーのバーナーの導入など、今後の活動にも注目です。
 インタビューを終えて、同行した男性社員がトイレをお借りしました。トイレを見ることで企業が働く人にやさしいかどうかすぐにわかるそうです(清潔なトイレだったそうです)。
 トイレには面白い標語が飾られていて、トイレから出るときにはにっこり。本当にユーモアを大事にしているのがわかります。人にやさしい企業と言うのは、嘘偽りではありません(笑)。

トイレに掲げられた標語です。
一歩前進!!

2012年5月